私たちは、私たちが教育によって何を目指すのかを表わした「教育理念」、私たちが先生としてどのような指導を目指すのかという「3つの指導理念」、私どもの塾が企業としてどのようであらねばならないかを表わした「経営理念」。ほかに「教育を推し進めるための3本柱」「学習共同体標語」「学びの標語」を持っています。
  3つの指導理念のうちの一つに「自ら学ぶものを支えるサポートマンシップ」があります。私たちの教育理念は「自立」ですから、指導を続けるうちに何も言わなくても自分たちで学習することができるものが出始めます。でも彼らはまだ未熟で、経験も浅いので、いろんなアドバイスが必要です。
  数年前の3月の初め、公立高校入試の直前の時期にある塾を訪れた私は、自習に来ている中3の学習している内容を見て、その塾の塾長に言ってその勉強をやめて他の学習をするように注意したことがあります。その塾長は、びっくりした顔をしていました。よその塾に行って何故そんなことをしたのかというと、その学習箇所が広島県の公立高校入試には出題されないということを知っていたからです。過去20年さかのぼっても、30年さかのぼっても一度も出題されたことのない、出題の可能性がほとんどない内容でした。もちろん幅広いが学習をすることはいいことです。しかし時期が時期です。受験直前ですから、やはり出題可能性の高いところをやるように、助言するべきです。
  私たちは子供たちのコーチです。子供たちをタイムリーに、よりよく伸ばしていくために、どんな時期にどんなアドバイスをしなければならないのかを熟知して子供たちをサポートしていく責務があるのです。基礎力を伸ばす時期、表現力を鍛える時期、受験に出そうな問題に対応する時期。それぞれの時期に合う学習をして結果を出してやることが重要です。自分で学習できるようになっても的外れなことをしていては結果が出せない、子供たちが頑張って伸びるのは、良き指導者に出会うか、学習内容に興味や関心を持つか、結果に後押しされるかのいずれかの時です。結果を出すにはサポートする側が十分に知識と情報を持つ努力をしなければならないのです。。