公立高校入試の変化に対応する

(前回の続き)さて、私たちが今年の高校入試対応をどのように変化させてきたのか説明いたします。

まず前年までの入試問題を見て、その変化内容が、表現力や思考力・判断力が必要な内容への変化だということがわかりましたので、これらが教育改革の先行変化だととらえた私たちは、それらに傾斜した出題は今までの出題よりも手ごわいことを予想しました。そのため入試対策の後半でかなり難易度の高い問題にあたらなければならないことを予想しました。そこで、逆に基礎的な内容については早期に問題数や問題量をこなすことにしました。こうして、中3の夏期講座時に、基礎力を鍛えるために5教科にわたる「基礎力養成のための問題集冊子」をこなし、例年よりも2か月早く受験問題を直接意識した演習を始めました。このことによって受験の基礎を早期に固めて、表現力や応用力を受験に近くなって、少し時間的に余裕をもって徹底的に鍛えようと決意したのです。

また冬期講習会中に履修した手づくりの問題は、これも冊子にして生徒諸君にやってもらいました。この冊子は既に昨年の段階で、思考力や判断力を問う問題を増やし、公立高校入試の対策として有効なものだと考えていましたのでこれを実施しました。教育改革の変化に対応する本丸でした。。

また選抜Ⅰや選抜Ⅱの国語で長文で解答を書く問題に対する対策(いわゆる小論文・作文対策)にも力を入れさせていただきました。  今年大きく出題内容が変化するということは、ほぼ予想ができたといってよいと思います。どのように変化するかということも文部科学省の言う高大接続に関する教育改革の先行変化だということをとらえ切れれば、その内容も予想のつくところでした。ただ出題形式をどのようにするのか、またどう言った単元が出題されるのかというようなことは「変化」が起これば全く予想のつかないものになることは、仕方がありませんでした。

3月に入っての受験直前の履修内容は各教場に任されました。教場によって履修している生徒のレベルや受験校のレベルに違いがあるからです。その際は多くの教室で、もしも「逆に変化が起こらなかった」場合に、昨年までのペースで出題されればどこが出題されるかというシミュレーションをして、特に理科や社会などで、主に昨年出題されなかった分野を履修しました。念のための押さえをしたわけです。結果的にこのことはあまり意味を持ちませんでした。

かくして、今年、公立高校入試は大きく形式を変えて、思考力・判断力・表現力を問う問題が多く出題されたのです。