春からの新指導要領導入にあわせて、中学校教科書の大幅な改訂が行われます。その内容と当塾の対応について紹介させていただきます。

 一番大きく取り上げられていますのは、教科書の内容の増加とそれに伴う配当時間の増加という点でした。実際、各教科とも指導内容を大幅に増加させた教科書となります。

 その増加の程度につきましては、10月~11月の保護者会資料にもありましたように主要5教科の授業時間数が1.23倍となります。とくに中3の時間数は1.4倍となります。これに対応して、中学校では、「総合」「選択教科等」という時間を削減して主要5教科へ時間を割り当てることになりますが、それでも、とくに中3の1.4倍には対応しきれないことが予想されます。学力低下への歯止めとして行われる時間増ではありますが、これをこなすために、授業のスピードをアップせざるを得ないのが現状といえるかもしれません。そのことは、ある程度学力のある生徒を伸ばすことに大いに有益だと思います。しかし一方で、なかなか授業のスピードについていけない学力的に中程度以下の子供たちにとっては、厳しい状況といえると思います。

 また、実際には各地域で採択する教科書によって、その増加率はまちまちです。したがって教科書の増加率が実際の授業時間の増加に大きく影響を与えることになります。とくに広島市とその周辺では、英語と理科の増加率が高いようです。

 こうしたことに対応するため、新年度のシラバスを大きく改訂いたしました。今までのシラバスでは、一斉指導の新年度開講を3月のはじめと定めておりました(個別指導は各教室で異なります)。これは毎年の新年度に、生徒の「つまづき」を排除するために、次学年の最初の部分を、3月から履修しはじめ、春休みにもう一度復習し、さらに学校が4月からスタートすることによって、同じ事を3回履修するという方法をとるためでした。塾内部ではこれを「スタートの3度塗り」と呼んでいました。しかし、この方法ではこれからの教科書ページ増の分量に対応しがたいとの結論から、新年度の開講を春休み開講時にずらし、年間で新教科書に対応する時間を確保するという方法をとります。したがって、新中1は小6時の1月からの「3度塗り」を今年も実施しますが、中2中3では2度塗りに留め、そのかわりに春休みなどに時間を長めに確保して、効果を上げるようにします。

 新年度の開講時期の変更という大きな変化となりますが、しっかりと効果を上げるように努力して参ります。これを含め大きな変更は以下のようになります。

1.新年度(2012年度)の開講を3月26日とする。
2.春期講習会の日程をこれまでの6日間から9日間程度に延長する。
3.夏期講習会の授業については、授業時間を、これまでよりも学校の進度確保に多く使う。
4.小規模な改訂に留めていた小学生科一斉指導のシラバスに、算数を中心とした授業時間の傾斜配分を設けるなど、大きな変更を加える。
5.学校での家庭課題の量をみながら、塾からの宿題の量を考え、演習量を確保する。
新シラバスの発行は、2月末を予定しています。以上、宜しくご理解を賜りますようお願いいたします。