山頂から

    小野 十三郎

山にのぼると

海は天まであがってくる。

なだれおちるような若葉みどりのなか。

下の方で しずかに

かっこうがないている。

風に吹かれて高いところにたつと

だれでもしぜんに世界のひろさをかんがえる。

ぼくは手を口にあてて

なにか下の方に向かって叫びたくなる。

五月の山は

ぎらぎらと明るくまぶしい。

きみは山頂よりも上に

青い大きな弧をえがく

水平線を見たことがあるか。

original

 もう何年も前から、仕事と全く関係なく旅に出るということから遠ざかっていた。たまに県外からの講演依頼を受けて、ならばついでにと家族を同伴することが数度あったか・・・。

 塾人にとって本当の休みと言える休みはゴールデンウィークくらい。今年は、蒜山高原から大山の北までを車で回り、倉吉を経て三朝温泉に宿をとった。

 若い緑はよい。心をリフレッシュして、新たにすべてをスタートすることができる。自分自身に対する再スタートの演出するのにもってこいのすがすがしさを持っている。天候にも恵まれた。

 ゴールデンウィークが過ぎると、またスタートする。そして、どこかに到達すると、またスタートだ。夏になったら、またスタート、秋になったら、またスタート、1年が終わればまたスタートというふうに、段階的に「始まり」を多く作ると、その度に気持ちを改めることができる。私たちは受験に向かっていろんな段階を作っているのだが、そういう意味では四季のある日本は、何度もスタートを作りやすい。

この4月中に私たちは中3の志望校と受験に対する意識を探った。そして、ゴールデンウィーク後は、そのこと知った上での再スタートの時期だと思っている。10か月後の受験に向かっての一つのスタート。そして今後何度も何度もスタートを切りながら、この1年を過ごしていくのだ。

今年は、なだれ落ちるような緑の高原と青い日本海を見て、しっかりと英気を養った。さあ、スタートだ。今年も頑張るぞ!pc_1246900267